2013年10月5日土曜日

2013 劇団通信10月号

2020年の東京オリンピックが決まってから「おもてなし」という言葉がクローズアップされてきました。普段何気なく使っている言葉でも辞書にはどのように出ているのか広辞苑を開いてみたけど載っていません。なぜ ? そうか、「もてなし」に「お」がついた丁寧語だったと「もてなし」を引いたら「とりなし」「振る舞い」「取り扱い」「待遇」「挙動」などが出てきました。

「おもてなし」とは何となく響きが違うので語源を調べたら「モノを持って成し遂げる」というのと、もう一つ「表裏なし」という二つの意味があることが分かりました。後者の表裏なしというのはあらゆる商売、特にサービス業では「表裏のない心で客を迎える」というのが接客の基本であって「おもてなし」に徹することが勝負の鍵と捉えているようです。

つまり何事も相手の立場に立って誠意をもって対応するという人間の生き方の基本のようなものであって、オリンピックによって海外から来た人達に「おもてなし」の心で歓迎しようとする機運が盛り上がるのは素晴らしいことです。しかし国内外を問わず毎日悲惨な事件や事故が後を絶たない現況、オリンピック開催決定をきっかけに日本から「おもてなし」の心を発信していくのはとても意義深いことだと思います。

そのためにも私たちは「おもてなし」の心を忘れず果敢に実行していかなければなりません。日本人特有の「思いやり」や「徳」といった優雅さは「おもてなし」の心の積み重ねによって醸成されていくものだと思っています。