2014年9月9日火曜日

2014 劇団通信9月号

子どもミュージカルをやっていると子どもたちの才能や可能性をどのようにして引き伸ばし、将来に繋げられるように指導していくか常に思い悩むところでもあります。

ひとえに才能を伸ばすと言っても千差万別、褒めることによってやる気が出てくる子もいれば厳しくダメ出しをしないと納得してくれない子もいます。又、ダメ出しをすると自信をなくして消沈してしまう子や、逆に全くダメ出しをしなかったら見放されたと思って悩む子、叱られたこともない家庭で育ったような子もいて一筋縄ではいかないもどかしさの中で四苦八苦することが多々あります。

最近特に感じるのは子ども達がキャストオーディションに向けて最大の努力をして念願の主役を手に入れたとしても、その後の公演までの稽古期間中に本当にその子で良かったのか ? と疑いたくなる事例が沢山あるということです。

オーディションは良かったけど、一つの作品を引っ張っていけるだけの存在感や輝き、不屈の精神力など稽古をしてみなければ分からないことが次々と派生し、他方で地道にこつこつと積み上げていく子などの成長過程を見ていると、むしろその子の方が良かったのではないかと後悔することしばしばです。

日頃のレッスンに対する姿勢なども考慮し長年在籍している子にはチャンスを与えなければという私情も絡み、どこの「子どもミュージカル」においてもベストメンバーの公演にはなっていないのが現状です。しかし思い通りの役につけなくて退団する子は言語道断、じっと我慢している子の姿にこそ人間性の素晴らしさを感じてしまいます。
「大きな夢」はミュージカルを通しての人間形成にあることを思い起こさせられます。