2015年7月1日水曜日

2015 劇団通信7月号

作家の瀬戸内寂聴さんが先日NHKのテレビで病から回復した元気な姿で対談なさっていました。93歳になってこれから又本格的に執筆活動に入るということで、頭の中味は全く衰えていないから体力の続く限り書いていきたい、しかも色っぽいものが書きたいと老いて尚恋することの素晴らしさを当然の如く語っていらっしゃいました。その時の子どものような愛くるしい表情が私の目に焼き付いて離れません。

寂聴さんは対談の中で「これまで多くの人々に人生の苦難を乗り切るような説法をしてきたけれど、それは心から分かっていたのではなく言葉で言っていただけ、自分が病に倒れて初めて本当の痛みを知ることになった。痛みや苦悩を実際に体験しなければ真の理解者にはなれないし、人はそのような体験をしながら強くなり向上していくものです」というような内容のお話をなさっていました。

確かに失敗したり、悲しみに遭遇したり、苦しみに耐えて我慢することや挫折を味わうことで人間は強くなり向上することに繋がっていくと思います。

又、寂聴さんは悩み事の相談を受ける中で「他人に言われたことが気になって仕方がない」という相談が一番多いそうです。それについては「そんなこと一切気にしないでいい。第一その人が貴女のために税金でも支払ってくれますか」と一刀両断、面白い言い方だと感心してしまいました。
そんな無責任な人に捕われても仕方ありません。
どの世界でも、どんな集団でも、グループでも必ず気に要らないような発言をする人はいます。
寂聴さんのおっしゃるように一切気にしない心の余裕を持ちたいものです。