2013年12月7日土曜日

2013劇団通信 12月号

嘘をつくことについて考えてみました。最近のニュースでも取り上げられているみずほ銀行やJR北海道のおそまつな対応にうんざりさせられていますが、最初は大したことではないと軽く嘘をついたつもりでも、その一つの嘘がばれないようにさらに嘘を上乗せしてごまかし、逃げ場がないように追い立てられると記者会見で一斉に頭を下げて謝る…テレビで日常茶飯事のように見せつけられる光景です。

私たちも日常の生活の中で多少の嘘をつくことはあります。しかし他人に責任を転嫁するような嘘や、人を誹謗中傷したりする嘘は決してついてはいけません。人は窮地に追い込まれると どうしても嘘をついて逃げたくなることはあるかもしれませんが、この世に生きている人間で完全無欠なんて人はいません。誰でもミスをおかしたり失敗したりすることはあるものです。それが又人間なのです。ミスが発覚しないように隠蔽するよりも、正直にミスを認めて謝ることの方がどんなに素晴らしいことか、一時的にごまかして言い逃れしても、何かの折に発覚すればたちまち信頼を失うことになってしまうのです。

 嘘も方便という言葉がありますが、嘘が有効に使われて窮地を救ったとか、癌の宣告を知らせないための嘘や、人間関係をスムーズに保つための嘘など方便として使われることはたくさんあります。しかし基本的に嘘は嘘であり、嘘をつかない生き方を善しとしなければ何を信じていいのか分からなくなってしまいます。嘘をつくと舌を抜かれると子どもの頃教わりましたが、私の舌はまだ健在です。