2014年10月3日金曜日

2014 劇団通信10月号

善人とは ? と時々考えます。
もちろん善人に対して悪人という言葉があるように、悪人でない人が善人でしょう。しかし人間を簡単に両者で区別して、判断することなどできるものではありません。良い行いが善で、悪い行為が悪、というのは誰でも知っていることですが、その基準も曖昧で、良い行いとそうでない行いも見方によって大きく異なります。

必要悪という言葉があるように、善を実行するためには、ある程度の悪と見えることも見逃さなければならない場合もあります。法を侵すことは良くありませんが、法がネックになって人の命を救えなかったとすれば、善悪の判断も変わってきます。
 
一般に善人と言われるような人は正義感が強く、正直で真面目、曲がったことが嫌い、人に対して文句を言ったり怒ったりしないでいつも優しく微笑んでいる。例え頭にくることがあっても、表に出さないで心の中に収めてしまう(癌になりそう ! )。そんな人が本当にいるの ?  あり得ない ! と思ってしまいます。

誰でも自分に対して良いことをした人は善人だと思い、逆の言動があれば悪人呼ばわりしかねません。完全無欠な人って存在しないように、善も悪も入り交じっているのが世の中です。だからこそ、他人の言動に惑わされない強い信念を持って、生きていかなければなりません。

長い間悪いことばかりやってきた人が、更正して少しでも良い行いをすれば凄いことをしたように誉め称えられ、普段多くの人達から尊敬され社会的にも大きく貢献しているような人が、取るに足らないスピード違反的なミスや、軽い法に触れるようなことをしたとすれば、立ち所に糾弾され過去の人生まで否定される。そんなおかしな社会の中で私たちは生きています。