2015年2月26日木曜日

2015 劇団通信1月号

「何事にも行き届く」ということはとてもむずかしいことですが人間社会にあって一番肝心なことです。企業でも組織でも商売でも基本的な姿勢であり、これを怠ると衰退の一途を辿ることになります。人に、事に、物に、全てに行き届く姿勢をもって生きていけるか、簡単に出来ることではありませんが、そのための努力、修行を積まなければ到達出来ない深いものなのです。


若い人達を見ていると何故もっと相手の立場に立って物が言えないのか、虚栄心なのか自信過剰なのか、謙虚さが足りないなどと年寄りは思ったりします。若さというのは未熟です。それだけに勢いもあり失敗もありますが、それを肥料にして成熟した実をつけるかどうかは、本人の生き方、努力にかかっています。行き届いているつもりでも抜け落ちる事は誰にもあります。


抜け落ちた所をそうでないように取り繕ったり、抜け落ちたところを正当化することなど夫々の人柄や性格にもよりますが、自分を良く見せたいという思いが強く出過ぎると顰蹙を買い信用を失ってしまいます。良く見せたいと努力するより謙虚に自分の行いを反省し素直な心で生きていく事の方が尊いのです。しかし謙虚になったつもりでも卑屈になり過ぎて「すみません」を連発しても決していい結果は生まれません。要は常に向上心を持って自らに問いかけ、あらゆることに気を配り行き届く訓練を繰り返ししていくことが大切です。
終了する事もない人生の修行のひとつひとつが積み重なって人格を形成していく事を忘れてはなりません。