2015年6月20日土曜日

2015 劇団通信5月号

最近ある「子どもミュージカル」の公演で誰にもはっきり分かるような音響のミスがありました。生の舞台では万全を尽くしていても予期しないアクシデントに見舞われることが多々ありますが、あってはならないミスであっても起きてしまった事に対してはどうする事もできません。大きな興行などではミスをすれば賠償責任問題にまで発展しかねませんが、責任をとったからといって元の状態に戻す事はできません。ライブには何が起きるか分からないスリルと不安が伴いますが、それが又人々を引き付ける大きな魅力でもあります。


例えばスタッフが細心の注意を払っていても舞台裏で誰かが何かにつまずいて大きな音を出してしまったり、役者の衣裳が小道具に引っかかって、その落ちた音が客席に響いたり小さなミスは限りなくあります。又役者が奈落に転落したり、大道具が上演中に倒れてケガをしたり、ミスというよりは重大な事故に繋がっている例もたくさんあります。勿論あってはならないことではありますが、人の手によって動いている以上ミスを完全になくすのは不可能に近いことです。


だからこそリハーサルをしっかりやって万全を期さなければなりませんが、「子どもミュージカル」の場合実際に舞台で稽古出来るのはゲネプロの1回だけです。出演者や劇団のスタッフは稽古で全体の流れをしっかり把握できていますが、外部のスタッフさんはせいぜい1〜2回の稽古に付き合ってもらうだけです。出来るなら毎回の稽古に来て欲しいと思いますが、経済の問題があるだけになかなか難しいところです。
ミスを容認する訳ではありませんが、当事者にはその都度寛容に対応しています。