2015年9月16日水曜日

2015 劇団通信9月号

いくつになっても勉強しなければならないことが尽きません。
尽きないどころか益々旺盛になり制限時間が迫りつつある中で焦りのようなものが日々募っていきます。一人の人間が一生のうちに学べるのはたかが知れています。自分が歩んで来た芝居の道ですら尽きることのない未知の領域が限りなく広がっていくように思え、いわんやジャンルの違う世界に至っては宇宙に飛び出していくような計り知れない広がりを感じてしまいます。

書店に並ぶ本を無作為に手に取って読んでもそこには必ず新しい発見があり、これまで知ることのなかった全く別の世界があったことに愕然とし打ちのめされたり、勇気づけられたり、或は新しい恋人に出会ったような高揚感に浸って足取りが軽くなったりと不思議な感覚に捕われたりしています。

私は知識として学ぶことよりも現実には体験できないようなことを書物を通して感性で受け止め、共感し心を揺さぶられるという読み方をしているつもりです。それでも若い時に勉強してこなかったツケが今頃になって頭をもたげ、読書していても知識の足りなさを思い知らされることが多々あります。

やはり勉強は頭の柔らかい若いうちにやっておかなければならないのです。頭も身体も心も柔軟性がある時に受け入れるようにしなければ身につかないことを若者に伝えたいと思っても、自身の若かった時のことを思い出すと年寄りの言うことに素直に耳をかさなかった生意気な青二才の姿が浮かんで来て何も言えなくなってしまいます。
それでも子ども達にだけは機会がある度に学ぶ事の大切さを自らの反省を吐露しながら話してもいます。