2013年6月27日木曜日

2009 劇団通信12月号

BDPアカデミー公演「彼女たち」の作品はアメリカを代表する劇作家アーサー・ミラーの「るつぼ」を絡ませて作られたもので、脚本の中にマリリン・モンローのことが出てきます。というのもアーサー・ミラーはマリリン・モンローと六年間夫婦だったということがあるからです。この辺りの経緯も劇中で多少触れていますが、残念なことに時間の関係でこの部分はカットせざるを得なくなりました。
アーサー・ミラーと結婚する前マリリン・モンローは野球選手と結婚していましたが、ミラーのような教養高い人と結婚することによってセクシー女優から抜け出し、自分も知的な人間として夫と同等に付き合える妻になりたいと夢見ていたのです。しかし夫は彼女が大スターであり続けるためにあらゆる努力を惜しまず、献身的に尽くします。そのために夫婦のバランスが崩れ離婚、モンローは本意でないセクシー女優を更に続けることになります。
一方で精神分析医のもとに通い続け薬物にも依存します。そんな中でケネディー大統領に出会いますが、スキャンダルを恐れた政府関係者によって締め出されてします。華やかな大スターの内面は泥沼でもがき苦しんだ過酷な試練の連続でした。
そのモンローの語録に、
「人は愛されたいとは思うが、愛したいと思う者はほとんどいない」
「演技には悩みが必要だ。悩みがない者の演技なんてあり得ない」
衝撃が走りました。