2013年6月28日金曜日

2011 劇団通信5月号

東日本を襲った大震災は私たちに様々な反省や課題を突き付けています。あまりにも便利になりすぎていた日常の生活、節約や倹約が忘れられたような飽食的な生き方の中で、失ってみて初めて知る当たり前の生活の有難さ。電気にしてもいかに無駄な使い方をしていたか不便さの中で誰もが思い知らされています。今、夜は街灯の点灯が半分くらいに減らされていますが、却って街を歩いていても夜らしく新鮮で心地良ささえ感じます。ある程度不自由しない位の灯りさえあればいいし、けばけばしいネオンが消えるとホッとします。これまでいかに無駄な電力を使っていたか皆が気付き始めています。夜というのは暗いのが当たり前、その本来の姿に戻りつつあることは決してマイナスではなく、電力の消費に限らず根本的に人間が生きるということを考え直すきっかけを今回の震災が与えてくれたようにも思います。
劇団も公演の照明で電力を使うのはよくないように言われることもありますが、舞台で使用する電力は浪費とは違います。電力を消費することが悪いのではなく有意義に活用させることが大切で、芸術文化やスポーツで消費する電力を敵視するような考え方はよくありません。それよりも日常生活の中での節電を心がけ、社会的にも街灯やネオンなど夜の対策を根本的に考え直す必要があります。
「無駄」という線引きは難しいところですが一人ひとりの生き方が反映されるものではないでしょうか。