2013年6月28日金曜日

2012 劇団通信6月号

舞台や映画、ドラマや小説でも男女の関係が描かれて成り立っているものが多く、観客や読者は少なからず自らの立場に置き換えて涙を流したり怒ったり悔しさを共感したりするのです。
さて「大きな夢」の演目にもいろいろあります。「あまんじゃく」のゲンタとサチ、「夜空の虹」のムームとアンナ、「ロンの花園」のロンとミミ、「ロビンソン」のリリーとトビー、「タマゴン」のタマゴンとマイ、「森プリ」のライオネルとポピーなどほのぼのとした男の子と女の子の関係が描かれていますが、それらを上演するたびにいろいろ考えさせられます。
演ずる子どもの年齢によっても意識や表現の仕方は様々で、例えば中学生の女の子で外見は立派な大人に見えても恋愛感情が全く理解できない子がいたりします。えっ? 男の子を好きになったことがない? だめだよ、恋をしなさい!なんて本気とも冗談とも分からないようなダメ出しをしてしまいますが、異性を好きになった時の動きやセリフの言い方は恋心を知ると知らないでは大きく違ってきます。説明しても理解してもらえないとなると演出プランを変えなければなりません。逆に低学年になると「そこで二人で手をとって」と言っても照れてしまって先に進まないこともあります。この場合もプラン変更です。
恋愛的成熟度は個人差があって当然ですが、微妙な年齢の子ども達を相手に稽古していると、中学生の時に好きだった女の子に一言も声をかけられなかったピュアな自分と重なって一人ニヤリとしてしまいます。