2013年6月28日金曜日

2013 劇団通信4月号

続けていくことの大切さ、難しさを日頃から嫌という程思い知らされていますが、先日上演した「ひとりミュージカル」の稽古に入ってみて、若い頃から積み重ねてきた役者としての最低の訓練の継続がなされていなかった自身の甘さにひどいショックを受けてしまいました。
児童劇団を立ち上げた20年前、自分では役者から足を洗ったつもりでいたので特別な日頃の訓練もしないまま過ごしてきたツケが今になって回ってきたのです。18年前の初演に比べると滑舌も衰え、すっかり口が回らなくなってしまっていたことにいたたまれない思いが込み上げてきました。
年齢のせいでもなく只々自分の愚かさに無性に腹立たしくなり、取り戻すことのできない年月が貴重な宝物を失ったように思われてしまいました。
現役であろうがなかろうが若い頃から積み重ねてきたしゃべりに対するこだわりが脆くも崩れ去った苛立ち、後悔の念に苛まれ私の生きざまを根本から否定されたような気にもなってしまいました。しかしそんなことにくじけていては本番を迎えられない! 昔の感覚を少しでも取り戻せるように出来る限りの努力してみようと気持ちを切り替え、毎日一つでも進展するようにこつこつと稽古を重ねていきました。
無謀なひとり芝居も終わってしまった今、反省することは山ほどあっても、前向きに取り組んだことで自身の中での高揚感と更なる向上心が出てきたことは不思議な現象と言わざるをえません。何とも言えない本番寸前の緊張感が更に追い打ちをかけるように昔を甦えさせるのです。