2013年6月27日木曜日

2010 劇団通信3月号

数々の感動を与えてくれたバンクーバーオリンピック。勝敗を左右するのは正に選手の精神状態にかかっていることを実感します。実力を持ちながらもちょっとしたミスや思わぬアクシデントに見舞われあっさり敗退してしまう選手をたくさん見てきました。オリンピックという大舞台では平常心を保てるだけの余裕をもって臨むことなどほとんど無理だと思います。日本中の期待を背負って登場したフィギュアスケートの浅田真央はフリーの演技に入る前からこれまでに見たこともないような緊張が極度に達した顔をテレビの画面は捉えていました。こんな余裕のない雰囲気で果たして大丈夫かと誰もが心配するような顔つきでした。
ミスがなければ金メダルをとっていたかもしれない浅田の実力は私たち素人が見ても韓国のキム・ヨナ選手をはるかに上回っていると思いました。しかし実力と精神のコントロールで戦っていくオリンピックの頂点はリンクに上がる前に既に決まっていたかのような結果になってしまいました。コーチや回りのスタッフが勝つための技術的トレーニングに終始してメンタル面での訓練まで行き届かなかったのではないかと思われてなりません。
オリンピックは祭典でもあり、開会式や他の選手を応援するなどの精神的余裕を持たせることも必要ではなかったのかと思います。
緊張の中でも実力を発揮できるよう訓練することはミュージカルの舞台でも同様なのです。