2013年6月28日金曜日

2011 劇団通信2月号

カナダのe-nikkaメールニュースに次のような記事が載っていました。
『NHKのニュースで菅首相が国会で施政方針演説をしていた。翌日オバマ大統領が米議会で一般教書演説をする様子が映った。両者のスピーチぶりを観察したら、その違いがはっきりと分かった。菅首相はほとんど下を向いて原稿を読んでいる。もっと議員やテレビを見ている国民に生きた言葉で話しかけるような姿勢はできないものか。オバマ大統領はおよそ一時間にわたり雄弁をふるった。原稿はほとんど見ない。身振り手振り活発、顔の表情も豊かにスピーチする光景はさわやかにさえ感じる。聞いている人達に説得力が伝わってくるのだ。カナダの連邦議会では首相をはじめ、閣僚、議員たちは英仏両語で議論を交わしているが、原稿を読みながら下を向いて演説する光景はあまり目にしたことがない。日本は欧米に比べてスピーチとかディベート(討論)に対する熟練度がまだまだ足りないという意見が聞かれる。ある人いわく「カナダでは幼いときから学校でShow and Tellの教育を受けているから、大人になって公衆の面前で自分の考えをはっきり言えるのだ」
人前で物事をはっきり話す、プレゼンテーションを的確にこなす。 社会生活に不可欠ともいえる上手な話し方の訓練をもっと重ねる必要があるということなのだろうか。』
幼少の頃からの訓練は日本の学校ではほとんどなされていませんが、児童劇団「大きな夢」は正に打ってつけの場所であるような気がします。
東日本を襲った大震災は私たちに様々な反省や課題を突き付けています。あまりにも便利になりすぎていた日常の生活、節約や倹約が忘れられたような飽食的な生き方の中で、失ってみて初めて知る当たり前の生活の有難さ。電気にしてもいかに無駄な使い方をしていたか不便さの中で誰もが思い知らされています。今、夜は街灯の点灯が半分くらいに減らされていますが、却って街を歩いていても夜らしく新鮮で心地良ささえ感じます。ある程度不自由しない位の灯りさえあればいいし、けばけばしいネオンが消えるとホッとします。これまでいかに無駄な電力を使っていたか皆が気付き始めています。夜というのは暗いのが当たり前、その本来の姿に戻りつつあることは決してマイナスではなく、電力の消費に限らず根本的に人間が生きるということを考え直すきっかけを今回の震災が与えてくれたようにも思います。
劇団も公演の照明で電力を使うのはよくないように言われることもありますが、舞台で使用する電力は浪費とは違います。電力を消費することが悪いのではなく有意義に活用させることが大切で、芸術文化やスポーツで消費する電力を敵視するような考え方はよくありません。それよりも日常生活の中での節電を心がけ、社会的にも街灯やネオンなど夜の対策を根本的に考え直す必要があります。