2013年6月27日木曜日

2010 劇団通信9月号

言葉というのは不思議なもので、発する言葉によって表情も変化します。同じ5文字の「ありがとう」と「ばかやろう」を比べてみても、「ありがとう」という時は柔らかな笑みを称える表情になりますが、「ばかやろう」は怒った時や相手を威嚇する時の表情になります。つまり言葉の持つ意味にぴったりの表現や表情に自然となっているということでしょうか。これを逆に「ありがとう」と言いながら「ばかやろう」という怒った表情でやってみてください。あるいは「ありがとう」の柔らかな笑みを称えた表情で「ばかやろう」と言ってみてください。ぎこちないどころか日常自然に出てくる表情では全くできないことがわかります。「きれい」「きたない」も同様です。私たちが日頃使っている言葉はただ単に言葉を発するだけでなく、それなりの感情を伴ってしゃべっていることに気が付きます。
言葉は私たちの身体にも密接に関わっています。激しい感情は身体に悪影響を与え、病に繋がることはよく知られていますが、良い言葉を発すれば体内も浄化され健康が維持されるのです。「ばかやろう」と思っても感情を切り換え「ありがとう」と言えばいいのです。口から発するたったの5文字、悪い言葉によって人が傷つき、人間関係も悪化し、その結果自分の身体が蝕まれるとすれば即改めた方が賢明な生き方ではないでしょうか。出来る限り明るい感謝に満ちた言葉を使うように心がけたいものです。